イヤイヤ期と子どもの本音~子どもの心の中を覗いてみよう~
2歳前後の子どもが「イヤだ!」と自己主張が強くなってくるこの時期。単なるわがままにも見えますが、これは子ども自身が自己主張できるまで成長してきたという証でもあります。〝成長はうれしいけど、このイヤイヤはいったいいつまで続くの?どう接したらいいの?〟というのが親の本音ではないでしょうか。
着替えや排泄、遊びなどできることが増え、何でも自分でやりたいという気持ちが強いものの、頭でわかっているのに上手にできないことが多く、そんなイライラが癇癪を引き起こしてしまっているのかもしれません。また、〝○○の服が着たい〟〝もっと遊びたい〟などの欲求の芽生えから、要求が通らなくて、自分の感情を泣いたり怒ったりして表現していることもあります。子どもも本当は「イヤ」だけじゃなく、しっかりと言葉で伝えたい…言いたいことはたくさんあるのに、うまく気持ちを言葉で表せない…。そんなもどかしさが、イヤイヤという表現になってしまう場合もあります。
子どもの心の中が見えてくると、子どもの見方がちょっぴり変わってくるかもしれません。イヤイヤ期は子ども自身が感情のコントロールを学ぶ時期とも言われています。やりたい気持ちを受け止め、とことんやらせてあげたり、子どもの意思が尊重できるよう選択肢を提示してみたり、抱きしめたり、体にふれてみたりしてみると子どもの反応が変わってくるかもしれません。
光徳保育園グループリーダー(主任保育士) 松浦 友美
~健康コラム~ 『嘔吐処理』
お子さんが嘔吐をしてしまった時に気をつけてほしいのが、二次感染。皆さんはお子さんの嘔吐処理をどのように行っていますか?保育園での対応をご紹介します。ご家庭でも参考にしてみてください。
〈嘔吐処理〉
① 窓を開け換気をし、手袋、マスクを着用
② 吐物などはペーパータオルなどを使用して拭き取り、ビニール袋に入れて密封し廃棄
③ 汚れた衣類は0.1%塩素系消毒剤(ハイターなど)に30分ひたし消毒(ペットボトルのキャップ一杯分に原液を入れ、水500㎖ペットボトルを満水にした濃度)
④ ③をほかの物と分けて洗濯する
⑤ 作業後は手洗いを丁寧にする
純粋な心と笑顔にふれるために ふれあい
ダウン症ってなに?①
よく「ダウン症」と言われることが多いですが、正式名称は「ダウン症候群」と言います。
「ダウン症候群(以下ダウン症)」と医学との関係は切り離せないので、ダウン症を発症する原因となる「染色体異常」について紹介します。
人が生きていくために必要な遺伝子は、通常1番目から22番目の染色体まではペアになっています。しかしダウン症は21番目の染色体が1本多い3本あるために起こる生まれつきの疾患です。精子や卵子がつくられるときに染色体の不分離で起こることが原因と考えられており、すべての人に起こりうる現象と言われています。
ダウン症は心臓や呼吸器・目・耳・鼻等の合併症を患う傾向にあります。以前は平均寿命が短いとされていましたが、最近では医学の進歩により平均寿命は延びてきています。
またダウン症の主な特徴は5点あります。
① 呼吸器系の合併症や口の筋肉が弱いことが影響して、言葉に不明瞭さが見られます。
② 聴力が弱いことから、難聴になりやすいのです。そのため耳からの情報を認知することがむずかしく、相手の話を聞き取ることが苦手です。
③ 新しい環境や慣れない環境に対して緊張しやすいのです。
④ 顔の特徴がつり目、離れ気味の目、小さな耳、低い鼻といった、全体的に起伏の緩やかな共通した顔立ちをしています。
⑤ 長所は視覚的に情報を捉えることが得意で、身振りや絵・文字等を交えてゆっくりと、はっきり話しかけることで理解が深まります。
幼児期・学童期・成人期において見据えるべきポイントを意識して関われば、勉学に励み、就労に導くことができます。最近では大学へ進学し、一般企業に就職する人も増えています。
特性と長所を踏まえて一人ひとりを理解しながら得意なことや可能性を見極め、できることを増やしていくことで、能力を引き出すことができます。その取り組み過程と結果を見守り評価することが、関係を築く第一歩です。私達の関係づくりと何ら変わりはないのです。
障がい者支援施設 小原寮 生活支援員 加藤 宗宏
いつまでも穏やかな日々を送るために よりそい
認知症になってもオムツは使用しないために…②
あなたは自分が認知症になって介護されることを想像したことがありますか?
前号に引き続き、特別養護老人ホームで実践している「おむつはずし」や「自力歩行」など【自立支援介護】の4つの基本ケアについてお伝えします。今回は【排便】【運動】についてです。
自立支援介護4つの基本ケア
① 水分 「1日に必要とする水分量(1500㎖以上)を摂取する」
② 食事 「栄養バランスが考えられた普通の食事を食べる」
③ 排便 「薬(下剤)に頼らずに排便リズムを整える」
④ 運動 「歩行を中心とした活動性のある生活」
▪排便について
高齢になると、さまざまな疾患や便秘のため下剤を服用することが多くなります。しかし、オムツを着用する理由はこの下剤にあります。認知症高齢者は自分で「トイレに行きたい」と言えない方もおり、下剤は自分の意志に反して無理に出させようとするためオムツに頼るのです。できるだけお薬を使わないためにも「規則正しい生活を送ること」「食物繊維や乳製品を摂ること」「水分をたくさん摂ること」「運動をすることで腸を活性化させること」などが重要です。排便リズムを整えるために、朝起きてコップ1杯の水を飲むことも胃や大腸を目覚めさせるために良いと言われています。便秘にならないためにも生活習慣を見直しましょう。
▪運動について
オムツを使用しないためには歩行が重要になってきます。人は歩行を起点として排泄・食事・入浴など生活を送っています。認知症高齢者は活動性が低くなり、歩行をする機会が減ります。歩行能力を維持するため、歩行運動を日頃から意識して行いましょう。
自分が介護されることを想像してみませんか?「迷惑をかけてしまう」「羞恥心」「不安」などといった複雑な思いがあるのではないでしょうか。こういう複雑な思いや、認知症高齢者になってもオムツを使用しない生活を送るためには、今からでも自立支援介護で行っている4つのことを意識して生活することが、いつまでも「普通の生活」を送り続けるために大切なことと思います。
参考文献 国際医療福祉大学大学院 竹内孝仁教授 「介護の生理学」
特別養護老人ホーム 高浜安立荘 グループリーダー(介護員) 三久 将弘