【2歳児の子育て】
最近まで何でもお母さんにしてもらっていた子どもも2歳になると、「イヤ」「自分でする」ということが増えてきます。今回は「2歳児の育ち」についてです。まさに2歳児を象徴するのは、先にも述べた「イヤイヤ」ではないかと思います。手先も器用になり、運動能力もついてきて“自分でやってみたい”という気持ちが強くなり、できたことに対しての自信もついて“自分で”という自我が形成される大切な時期です。しかし、まだまだ上手にできず、思い通りにいかないことに対して、癇癪を起して泣いてしまい、お母さんにとっても大変な時期です。
2歳代は「嵐の時代」、英語でもterrible twos(テリブルトゥーズ:恐るべき2歳)とも言われ、世界共通して親にとって大変な時期なのかもしれませんが、嵐はいつか去り、穏やかな天候となるように、この時期もいつかは過ぎていきます。過ぎてしまえば、良い思い出になることでしょう。大変な時期ですが、さまざまなことに対して、自立の準備期間でもあります。大人がやれば、数秒でできてしまうことでも、子どもがすれば何分もかかることがあり、待つことは大変ですが、子どもが「自分で」と言い出した時は、自我や能力が成長する機会だと捉えて、できたことに対しては大いにほめてあげ、できないことには「一緒にしよう!」と声をかけて、のんびりとつきあってあげてください。そのことを繰り返していくことで「自分はできる」という自信が生まれ、自己肯定感を持てる大人へと成長していきます。それは将来子どもが大人になり、生きていく上で重要な力となります。
2歳頃は、運動機能が著しく発達し、その場でジャンプができるようになると、飛びおりたり、走ったり、どんどん活発になってきます。興味を持ったこと、ちょっとむずかしいかなと思うことにも、チャレンジしようとして、突拍子もない行動をすることがあります。公園の遊具で遊ぶ際、転落や高い所からの急な飛びおりなどの突発的な行動に出ないように見守り、遊具の使い方を教えてあげてください。また、公園で遊ぶ際には動きやすく、装飾のない洋服を選ぶとよいでしょう。フードや紐のついた洋服は、子どもはそれらがついている意識がないので、ひっかかってしまい、窒息する危険もあります。装飾が思わぬケガにつながることがありますので十分に注意してください。
さて、2歳児のお母さん達の関心事といえば「トイレトレーニング」ではないでしょうか。紙おむつの機能向上により、どんどんと排泄の自立が遅くなってきています。昔は、おしっこをしてオムツがぬれると気持ち悪いだろうし、かぶれるから早く取り換えてあげようという気持ちになったものですが、現代は紙おむつの機能性が向上し、ぬれても不快を感じないように工夫され、かぶれないように通気性も良くなっています。2~3回のおしっこが出るまでオムツを取り換えないということも多いようです。しかし、2歳頃になるとおしっこの間隔が2時間位あくようになり、「おしっこが出た」「出したい」という感覚も身についてきます。不快を感じないと感覚も育っていかないので、食事や外出の前後など生活の節目でオムツをはずし、トイレに誘って、出なくても、また、失敗しても叱らずに、気長に取り組んでいくとよいと思います。
2歳になると、想像の世界を楽しむこともできてきます。絵本の読み聞かせを通し、想像の世界を広げてあげるとよいでしょう。1歳の頃は乗り物や動物が大きく描かれ、擬音や物の名前を確認する絵本が好きでしたが、少しずつストーリーのあるものも好きになります。絵本の登場人物と同じように言葉のやり取りを楽しむことは、相手の心情を理解したり、親子の絆を深めることにつながり、心の育ちにとても大切です。どうぞたくさんの絵本を読んであげてください。
(T・T)