春の暖かい日のことです。
三徳くんは仲良しのミミちゃんと学校の花壇の様子を見に行きました。
花壇にはたくさんお花が咲いていました。
「春になるとたくさんのお花が咲いてうれしいね」とミミちゃん。
「花壇のお花って冬は咲かなかったけどどうしてかな」と三徳くん。
「そうね…。明日先生に聞いてみましょう」
翌日、ミミちゃんと三徳くんは先生にそのことをたずねました。
「たしかに君たちがまいた花の種は冬のあいだ土の中にある。でも寒いと芽が出ないんだ。だから土の中で春になるのを待っているんだね。それから水もあげないと花は咲かないよね」と先生。
「ふ~ん、土の中にあるのに、条件がそろわないと花が咲かないのか…不思議だなぁ」と三徳くん。
次のお休みの日に、三徳くんは学校で先生から教わったことをお師匠さまにお話しました。
「なるほど。三徳。よい勉強をしたのじゃな」
「よい勉強ですか?」
「そうじゃ。法華経の教えと同じじゃよ。因縁という話をしたのを覚えておるか?」
「はい、覚えています。世の中は原因があるから結果があるということです」
「お前が種をまかなければ、花は咲かないということじゃよ」
「あっ。お師匠さま。たしかにそうです」
「うむ。そしていろいろな条件がそろって、花が咲く。世の中で起こる良いことも悪いことも、そういう結果を生む種をまくからこそ結果としてあらわれるのじゃ」
「はい、お師匠さま。だからお師匠さまはいつも良い行いをしなさい、と言うんですね」
「その通りじゃ。世の中いつも良いことばかりが起こるわけではない。つまり、冬と同じじゃな。そういうときにこそ、良い行いをして良い種まきをすることが大切じゃな」
お師匠さまの教えが少しわかった三徳くん。これからが楽しみですね。
良い種となる心、明るい将来を生む行い、正しい暮らし方
これを毎日まき続けて生きることが安心への第一歩です。
日々の行いも、心の使い方も、将来の吉凶を生む種となってまかれます。
みなさんも三徳くんと一緒に良い種となる一日を送りませんか。